【実務補習】働きながらは無理?詳細スケジュールは?中小企業診断士 試験合格後の実務補習体験談!

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中小企業診断士

閲覧ありがとうございます、ふゆです😀

私は中小企業診断士試験に合格後、実務ポイントを獲得するために協会主催の実務補習に参加しました。
当時の流れや内容について、経験談をご紹介いたします。

このような方に向けた記事です

・中小企業診断士の実務補習はどんな感じ?
・働きながらでも実務補習は受けられる?
・他の実務ポイントの獲得方法と比較してどう?

この記事の結論は以下になります💡

・実務補習は企業等で働きながらでも受けられます
・本業とのスケジュール調整が重要です
・実務補習は診断士仲間づくりにおすすめです

実務補習とは

実務補習とは、国の登録実務補習機関である一般社団法人中小企業診断協会が実施している、実際の中小企業の経営診断をグループワークで行うことです。
参加することで、参加者は経営診断に必要な知識や経験を積むことができ、また、診断士登録に必要な診断ポイントを獲得できます。
コンサルティング会社などに勤務していない場合、診断先を自分で探すことは難しいため、診断士試験合格後の診断ポイント取得には、実務補習を受ける方が多いと思います。

私は診断士登録に必要な診断ポイント15ポイントのうち、5ポイントは実務補習で取得しました。
残りのポイント取得方法については、こちら▼も読んでいただけたら嬉しいです。

開催時期・日程

実務補習の日程は7~9月と、2,3月に開催されます。

下記は2023年の東京の夏の日程です。
7月:7日(金)・8日(土)・16日(日)・17日(月・祝)・18日(火)

8月:18日(金)・19日(土)・26日(土)・27日(日)・28日(月)

9月:8日(金)・9日(土)・17日(日)・18日(月・祝)・19日(火)

平日が2日、土日祝日が3日入る日程になっています。
1回目の平日に、診断先の企業にヒアリングに行き、2回目の平日に報告に行くため、2回平日が含まれています。

また、協会のHPに「登録休止中の診断士が再開するために受講する場合、2次試験合格者の受付期間終了後に空きがあった場合のみ」と書かれており、2次試験合格後が最も参加しやすいと考えられます。

参加人数

各月の東京の参加人数は下記の通りです。

7月:215人、8月:335人、9月:225人

令和5年年夏日程にて東京地区の実務補習に参加できるのは合計775人となっています。
一方、東京での合格者は979人となっており、全員は1回ずつ参加する枠もないことになります。
冬の回もあるので、枠としてはもっとありますが、診断士登録には3回参加する必要があり、参加の枠が争奪戦になるのも頷けます。
募集開始前にはすぐに応募サイトにアクセスできるよう、準備しておきましょう。

参加メンバー

参加メンバーは5~6人+教官(+副教官)で1グループとなります。
また、参加者は住所が近い人同士を一緒にするようにしているようなので、東京地区の場合、西の端から東の端までかき集められるということはないようです。

私が参加したグループは5人で、教官は1名でした。また、最寄り駅が同じ路線を使っている方が多かったです。

役割

最初のミーティングにて、各メンバーに役割を決めます。
担当分野の役割として、経営戦略、営業販売、財務、生産管理、人事組織、情報+α といったものがあります。
製造業だと生産管理が入りますが、サービス業など非製造業の場合は生産分野はありません。
各役割について説明していきます。

また、チーム編成上の役割として、リーダー、書記、タイムキーパー、会計などがあります。

・経営戦略

経営戦略はリーダーが行うことが多いです。そのため、経営戦略の分野自体も重めで大変な上に、リーダーの仕事もあり負担は大きいです。
ですがその分、実務補習のやりがいを感じることが出来ます。
SWOTの作成、外部分析、戦略の決定など経営診断の方向性を決める重要な役割です。
実務補習を3回受けるのであれば、1回はリーダー兼経営戦略をやってみるべきと言われています。
それだけ経験に価値があるということですが、大変なため本業とのバランスを考えて立候補すると良いと思います。

また、実務補習への参加が初めての方はリーダーにならないよう、教官の方が配慮してくれますので、心配しなくても大丈夫です。

私たちのチームは実務補習の経験者が1人しかいなかったため、2回目の方がリーダーと経営戦略を担当してくださいました。
経営戦略は全体の方向性に大きく関与するため、メンバー全員でこの項目を議論しました。

・営業販売

いわゆるマーケティング分野になります。
日頃からマーケティングの仕事や、営業をしている方は得意な分野だと思います。
得意先の分析をおこなったり、今後の販売戦略をどうしていくかなどを考えていきます。

・財務

財務担当は企業の財務諸表などから財務分析を行います。
診断士試験で必ず勉強する指標の評価の実施で終わってしまわないよう、財務に絡めた提案などができるように準備していきます。
税理士や普段財務関連の仕事をしている人がいると受け持ってくれることが多いですが、そんなに多くはないようです。

McSSというツールの使用が必須で、おそらくこれまでに利用したことがない人がほとんどだと思うので、財務担当になった方は早めに使いこなせるようにしておくと良いです。
ただ、無料の範囲は一部のため、お試しで無料ポイントを使い切らないようにするのが重要です。

・生産管理

生産管理は製造業だと必須かつ重要な分野です。生産活動全般に関する分野を担当します。
5SやQCサークル活動、生産統制などの2次試験の事例Ⅲに出てくるキーワード関連の提案を主とします。
普段仕事で生産に携わっている方は少なく、生産以外が良いと敬遠する方もいましたが、診断先企業が製造業だったらぜひ担当してみると貴重な経験ができると思います。

・人事組織

人事組織は人の管理や士気向上に関する提案などを行います。
どんな業種でもやはり重要となってくるのは「人」です。どんなに良い工場、機械がそろっていて、資金もたくさんあっても人に関する施策が優れていないと良い組織になりません。
強みを生かし、弱みを見つけてフォローする提案をしていきます。
普段どんな職種についている方でも比較的取り組みやすい担当だと思います。

役割まとめ

大変さのランキング(個人的感想です)

経営戦略(=リーダー)≫ 営業販売 ≒ 財務 > 生産≒人事組織

普段の仕事内容やこれまでの経験によって難易度は左右されますので、本業が忙しいときに実務補習を並行して受けたいときは、得意分野を担当させてもらえるようにすると良いです。

詳細スケジュール

各日のスケジュールは下記の通りです。

・開催日以前

1週間前頃に教官からメンバー宛にメールにて実務補習の案内が来ます。
そこに詳細のスケジュールや場所が記載されているのでよく確認しましょう。
その他にも診断先企業の会社案内や、財務諸表、得意先、売上などの情報ももらえる場合は目を通しておきましょう。

・1日目

主な項目はこちらです。

AM:実務補習オリエンテーション、自己紹介、役割分担決定、診断の進め方の確認
PM:社長へのヒアリング実施 ・工場見学、必要資料の収集・依頼

初日は診断先企業への訪問があるため、スーツ着用のケースが多いです。
セミフォーマルと言われてもスーツで行くのが無難かと思います。
女性の場合はジャケットを羽織るだけでも良いかもですが、他のメンバーが全員男性の場合、全員スーツとなると思うので、上下セットのスーツをおすすめします。

担当教官によって厳しさや雰囲気は大きく変わるようです。
私たちの班の教官は厳しすぎず、でも放置ではなくしっかり指導してくださるタイプの方でした。
打ち合わせの開催場所も教官次第の様で、大半の方はKFC両国カンファレンスセンター(両国駅)に集まるのですが、事務所を構えている教官の元では、その事務所で打ち合わせをしたという方もいました。(教官は空き時間で通常業務できますもんね)

役割分担の決定は最初に行うため、この日までに自分が何の分野を担当したいかをしっかり考えてきましょう。
何を担当するかが仕事との両立に非常に重要になってきます。担当の詳細については下記に記載しています。

午後は診断先企業へ赴き、ヒアリングを行います。その場で質問がどんどん湧いて出てくる方は準備しなくても大丈夫かと思いますが、そうでない方は貰った資料から予め質問を5~10個程度考えておくと良いと思います。
考えるためにその業界のことも調べられ、より知見が深まります。
ヒアリングの流れとしては、
1)社長からのお話
2)質問
3)工場見学
4)全体を通しての質問
でした。製造業ではない場合は工場見学は無いと思います。
全体で4時間ほど時間を設けていただき、質問自体は2時間ほどさせていただきました。
この時には担当が決まっているので、自分の担当の項目を中心に質問をしていきます。
ここでしっかりネタを集めておかないと、後の資料作りにとても苦労します。

ヒアリング終了後解散となりましたが、私たちの班はリーダーの提案で
・各自SWOTを作ってくる(キーワードの羅列でOK)
・ヒアリング内容の議事録作成(担当1人)
を実施したところ、以降の打ち合わせに非常に役立ちました。
終日の活動でへとへとかもしれませんが、やっておくことをおすすめします。

POINT

・事前資料を読み込んでおく
・担当したい分野(役割)を考えておく
・ヒアリングでは担当分野に関してなるべく多く質問しておく
・ヒアリング後は議事録を作成しておく

・2日目

主な項目はこちらです。2日目以降は完全カジュアル服装でOKです。

・ヒアリング内容の確認と共有
・追加資料の検討と依頼
・今後の自習期間の進め方確認
・wordのひな形、書き方ルール共有

前日のヒアリングを受けて、全員の認識に違いが無いかをすり合わせます。この時に議事録が作成してあるとスムーズに進みます。
この日に各自のメモを使って最初から作成していくと、せっかくの集合する機会に議論の時間がとれなくなります。

各自が作ってきたSWOTから、診断の方向性をどうするかまで話し合い、各分野の方向性まで落とし込めるとベストです。
このあと3日までは間があくため各自資料作成となりますが、2日目に方向性が決まっていないとそれぞれが勝手な資料を作成することになり、統合するときに矛盾を解消するのが大変だったり、ちぐはぐな診断書を提出することになりかねません。

診断報告書はword形式と決まっています。(これが結構厄介です・・・)
最近wordを普段使いしている人は多くなく、詳しい人がいたらラッキー!ですが、なかなかそうもいかないため、ひな形を準備しておくと良いです。
もし2回目以降の参加者がいる場合は、前回の書式の内容部分を削除して共有してもらうようにすると、最後に統合するのが楽になります。
また、書き方の細かいルールも最初に決めておくと良いです。数字の半・全角、画像は中央配置、通し番号のつけ方、社長の呼び方等です。
後から修正すればいいと思いがちですが、最後の方は本当に時間が無くなってきており、最初から統一しておいた方が良いです。

POINT

・メンバーが集まっているときは議論に時間を使いましょう
・資料の方向性決定を最優先しましょう

・3日目

ここからが後半戦です。主な項目はこちらです。

・各自作成資料の確認と修正

ここからは各自が作成してきた資料を全員で確認しながら、わかりにくいところを修正したり、経営戦略パートに沿っていない部分のすり合わせを行っていきました。
この時に役立ったのが、ZOOM打ち合わせの機能です。
全員が集合して打ち合わせをしているのですが、同じ資料を見ながら進めていきたかったため、ZOOMのマイクをオフにして参加している状態で画面共有をしながら進めました。
もしZOOMやTeams、meetなどオンラインの有料ツールを持っているメンバーがいたら活用してみると良いと思います。

POINT

・資料の方向性決定を最優先しましょう
・オンライン会議ツールを有効活用しましょう

・4日目

主な項目はこちらです。

・報告書の最終チェック、全体調整~完成まで
・報告書の印刷
・報告会の準備

3日目に修正が必要になった部分は各自修正して4日目を迎えるのが理想です。
4日目は誤字脱字のチェックや全体を俯瞰してみておかしい部分が無いかなどの最終フェーズに入るため、ここで大きく内容を変える必要があったり、他分野とのすり合わせなどを行っていると提出に間に合いません。
後半の日程は3日連続のため、修正する時間があまりとれないのですが、ここを頑張れると報告書の質が上がります。
社長さんに喜んでもらえるように頑張りましょう。

報告書の印刷まで時間内にたどり着くのは必須です。
時間に余裕があれば、翌日の発表練習までできると万全の体制で報告に臨めます。

私達の班はそこまではできず、各自の練習となりました。

POINT

・4日目は校閲と軽微な修正のみにできるよう、ここまでに頑張りましょう
・発表練習にたどり着きましょう

・5日目

・診断先企業への診断報告書の発表と提出
・社長からの講評、質疑応答
・協会への診断報告書の修正と提出
・表彰式(実務ポイントが15ポイントになる人のみ)

最終日となる5日目は診断先に赴き、頑張って作り上げた診断報告書を元に、診断内容を発表する日となります。
時間は企業に合わせるようですが、私達は午前中だったので、発表→両国カンファレンスセンターで資料提出の順番となりました。
診断先の都合で午前に資料提出&発表練習、午後訪問といった逆のパターンもあるようです。
この場合、午前中は発表練習に時間を割くことができますが、個人的には早く終わらせてスッキリして提出を迎えたいため、午前が発表で良かったです。

発表の仕方もメンバーに任されているため、一人で全て発表しても、分担しても良いことになっています。
資料は超大作で、発表内容もボリュームのあるものになることが多いため、自分の担当した分野は自分で発表するパターンが多いのではないかと思います。
資料の内容にすべて触れていくと時間が確実に足りないため、強調したい部分と、後ほど企業様の方で見ておいてもらいたいところを分けて、メリハリをつけて発表するとよいです。

発表後、社長からの講評をいただき、この日は終了となりました。
発表内容を真剣に聞いていただき、資料についても後ほどしっかり読み直して参考にしてくださるとのことでした。
ポーカーフェイスな社長さまだったため、あからさまに喜んでくれたという感じではなかったですが、少しでも今後の経営のお役に立てるとありがたいと思いながら診断先企業を後にしました。

開放感に浸りながら、午後は両国カンファレンスセンターへ移動し、最後の仕事です。
協会に提出する資料を揃え、USBに格納して教官が提出に行ってくださいます。
大抵何らかの不備があり、差し戻されることが多いようですが、修正して提出したら全て完了となります。

提出後はメンバー全員で反省会を開催し、一人ひとり感想を言いました。
ここまで短い期間ではありますが、丸5日一緒にいたメンバーの仲はかなり深まっており、その後もグループラインを作成し、時々連絡を取り合っています。

働きながら受ける際のポイント

企業で働きながら受ける際は、以下がポイントになります。

短期間(1か月以内)で平日2回終日有給を取得する必要がある
有給がとりやすい企業に勤めている場合は問題ないかと思います。ですが、そうでない場合はかなり前から予定はわかっているため予め有給を取得することを伝えておき、それまではなるべく消化しないようにするなどの工夫が必要かもしれません。
また、繁忙期と重なる日程を避けて受講することも重要です。

2回目~3回目の期間の平日に資料を大方完成させるため、終業後にがっつり作業をする必要がある
2回目と3回目の日程に挟まれている平日がとにかく忙しく大変でした。終日資料作成に充てられる日はないため、本業終了後に仕上げることが必要になります。
有給が取りやすいのであれば、半日~1日有給を取れるとぐっと楽になります。
また、繁忙期と重なる日程を避けて受講することも重要です。

私は子供がおり、夕方から夜の時間は使えないと割り切り、
◆在宅勤務にして通勤時間を充てる
◆朝5時に起きて出勤までの時間を充てる
◆昼休みに作業する
◆2回半休をとる
ことで作業時間を確保していました。
5日間で約15時間ほど資料作成に充てました。普通に勤務している方であれば、終業後毎日3時間ほど時間が確保できれば終わらせることが出来ると思います。

まとめ

実務補習は企業で働きながら受けることが可能です。ただし、受講期間中は忙しいことは覚悟の上で、スケジュール調整も必要になります。
毎日残業する必要がある時期はなるべく避けた方が良いです。
自分が担当する分野の進捗が遅れてメンバーに迷惑をかけるだけでなく、せっかく60,000円を支払って学ぶ機会を得ているのに集中できる環境を作れないのは非常にもったいないです。
診断士登録までには3年間の猶予があるため、本業とのバランスがとれる時期を見極めて、貴重な経験と仲間を得られるようにしましょう!

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